さよりさんち。

30代女の備忘録に近い呟き。

キッチンとシェイクスピア。

昨日は、いつの間にかキッチンを片付けていて。


早く職を見つけなければいけない現状や、その他あれこれ関しては何一つ変わっていないのだけど、ほんの少し、すっきりした心地になった。


私はキッチンが好きだ。

そう胸を張れるほど料理上手な訳ではないし、そもそも調理する行為が好きな訳ではない、どちらかといえば勿論食べる方が好きだけれど。


それでも何故か、洋服を畳んだり、掃除機掛けをしたりというような、日常生活における他の家事掃除に比べて、シンクやコンロを磨いたり、調味料や食器の棚を片付けることはさほど苦ではなくて、


化粧品や衣服の類よりも、より良いキッチンツールや洒落た食器に魅力を感じやすいし、お金を使うことが多い気がする。


実家でも、今も、子供の頃から今日まで、なんとなく落ち着かない時、悲しい時、苛立っている時には、キッチンに入ってぼんやりしていた。


するとしばらくすると、お茶でもいれようか、とか、何か片付けようか、とか、そんな気持ちになって、いつの間にか手を動かしていて、なんとなく落ち着いているのが私のパターンで。


いつも、キッチンには助けられている。

近頃は色々、勝手に追われている気持ちになって、そんなことも忘れがちだったけれど、あれもしなければこれもしなければと慌てたところで、私一人が同時にできることなんて限られているのだ。


「賢明に。そしてゆっくりと。速く走るやつは転ぶ」


急に思い出したシェイクスピアの言葉が耳に痛い。

私はいつもお尻に火が付いてから、ただただ必死に闇雲に走ろうとしてしまうことばかりだけれど、きっと今必要なのは、懸命さより賢明さだ。


深呼吸。がんばろう。